最近、とある本を読んでいる。
江國香織さんの『なつのひかり』。
実はすでに読んだことのある本で、わたしとこの本の間には浅からぬ因縁がある。
遡ること13,4年前、中学生だった頃、学級文庫にこの本があった。
朝の会の後、1時間目の前にあった朝読書の時間にこの本を手に取り、中学2年から3年の丸2年間かけて5回ほど読んだ。
そして28歳の今、再び手に取って読んでいる。
よっぽど気に入ってるだとか、価値観なり人生が変わっただとか、そういう風に思うじゃん?
違うのよ。
ぜーんぜんわかんないの。
この物語がひとことで言うとどういう話で、この物語を通して何が学べて、作者がどんなことを伝えたかったのか…などなど。
少なくとも中学生のわたしには2年かけて5回読んでも何もわかんなかったの。
中学生のわたしはそこそこ学力が高かったこともあり、5回も読んだのになんにもわからんというのは衝撃的な読書体験だった。
そんなこんなで28歳のわたしはこの本に勝手に因縁を感じてもう一度挑もうとしているのである。
さすがにアラサーだし、この本から何か得られるだけの読解力だとか感受性だとか情緒は育っているでしょうと思って読み進めているものの。
…もしやわたし成長していないのでは?
まだ読んでいる途中とはいえ、今のところ当時と感覚は変わらず、なんにもわからん。
なんなら社会人の忙しさにかこつけて読むペースが遅くなっているので、15歳の自分にギリ負け越しているまである。
意地を見せろ28歳の自分。